損保大手4社が競合他社の「機密情報」も取得か 大規模な契約者情報の漏洩だけではなかった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ある損保関係者は、内部情報に基づいて他社と足並みをそろえるような行為が、業界の悪しき慣習として長い間にわたって横行しており、「カルテルを助長する行為だとして、公正取引委員会からも指摘されている」と話す。

金融庁は追加の報告徴求命令を出すか

情報漏洩問題をめぐっては、金融庁が7月に、大手4社に対して保険業法と個人情報保護法に基づく報告徴求命令を出し、8月末までに調査結果を報告させた。

金融庁は損保大手4社に追加の報告徴求命令を出す可能性がある(編集部撮影)

しかし、契約者情報の漏洩を主眼とする報告徴求だったため、引き受け基準の規定集といった他社の内部情報の取得行為については、各社とも報告書で明確には触れていなかった。組織性や悪質性の度合いが大きい行為のため、金融庁が今後、追加の報告徴求命令を大手4社に出す可能性がある。

さらに足元では生命保険業界でも出向者などを通じた情報漏洩が発覚している。金融庁は生命保険協会を通じて、9月6日までに生保各社による初期調査の結果を報告させる方針だ。その調査結果によっては、生保各社にも保険業法などに基づく報告徴求命令を出す可能性がある。

中村 正毅 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事