「高くても低くてもダメ」血糖値の正しい整え方 人格破綻まで招きかねない「低血糖」の恐怖

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まだまだ研究途上の分野であり、あくまで可能性が示唆されている段階ですが、血糖値と性格がまったく無関係ではないことは、論をまたないでしょう。

一般的に、血糖値スパイクは活発に体を動かしている日中に起こりやすい――そう認識している人は多いでしょう。もちろん、その認識は間違っていません。

では、安静にしているときや睡眠時に血糖値スパイクは起こらないかというと、さにあらず。食事(おもに夕食)のタイミング、摂取する糖質の量によっては、寝ているときにも血糖値スパイクは起こります。

最悪なのは「糖質たっぷり」の遅めの食事

いちばんダメなパターンは、糖質たっぷりの料理を、遅めの時間帯に食べること。例えば、22時に夕食をとって、0時に床に就いたとします。すると、食べてからだいたい3時間後、深夜1時ごろに血糖値が急下降し始めるのです。

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血糖値スパイクの上下動の幅が小さく、ゆるやかに下がっていくのなら問題ありませんが、急激に、しかも下がりすぎてしまうと、体にさまざまな不調をきたし、不快感を覚え、それに耐えられずに目を覚ましてしまうケースがあります。寝ているときに血糖値スパイクが起こると、睡眠障害につながってしまうのです。

ならば、血糖値が下がりすぎなければいいかというと、そうともいいきれません。糖尿病の患者さんは通常の空腹時血糖値が高いので、あまり下がらずに高いまま目を覚ますと、そこから1日をスタートさせなければならないからです。

朝の血糖値が80からスタートする人と、150からスタートする人とでは、その後同じ食事をとっても上昇の波の大きさが変わってきます。だから目覚めのときは、低血糖にならないレベルの低い数値にとどまってくれているのが理想的といえるのです。

ベストは、睡眠時(とくに0時から6時くらいまで)は血糖値スパイクを起こさずに、できるだけフラットな血糖値でいられること。これが個人的に最も注目している点であり、目下の大きな課題でもあります。

矢野 宏行 医学博士、糖尿病専門医

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やの ひろゆき / Hiroyuki Yano

やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。糖尿病の専門医。1981年生まれ。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで糖尿病について研究をするなど、研究・臨床に精通。加えて24時間の血糖値の動きを調べつくしていることで、「どうやったら血糖値が下がるのか」「最も効果的に血糖値を下げる方法は何か」を熟知。「ミスター血糖値」の異名を持つ。
2023年、やのメディカルクリニック勝どきを開院。日本内科学会 内科認定医、日本糖尿病学会 糖尿病専門医、日本老年医学会 老年科専門医。
「Dr.ゆきなり【〜糖尿病克服への道〜】」チャンネル登録者数12万人など、メディアでも活躍中。

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