「高くても低くてもダメ」血糖値の正しい整え方 人格破綻まで招きかねない「低血糖」の恐怖

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高血糖が続くと、体の中でたんぱく質と糖質が結合し、体温で熱せられることによって「糖化」という現象が起こります。糖化が起こると、多くのAGEs が発生します。AGEsはAdvanced Glycation End Products の略称で、日本語では「終末糖化産物」と表現されます。

これはいわば、たんぱく質と糖質が加熱されることによって生じる、おこげのようなものです。まさにおこげのように、褐色の姿をしています。このAGEsは、蓄積した場所の老化をまねく、とても迷惑な物質です。

例えば頭皮にAGEsが溜まると、毛根細胞に作用して、白髪や薄毛の進行を早める原因になります。溜まる場所が顔や体の皮膚であれば、皮膚のコラーゲンの弾性化が低下し、しみやしわがどんどん増えていくことになります。そう、高血糖が続くとAGEsが増大し、驚くべきペースで老けていってしまうのです。

もちろん、美容だけではなく健康に与える影響も大きく、AGEsが骨に溜まれば変形性関節症や骨粗しょう症、血管に溜まれば動脈硬化や心筋梗塞、脳に溜まれば脳梗塞や認知症などにつながります。

AGEsを増やさないためには、血糖値を下げること、ならびに血糖値スパイクを起こさないことが大切。これを肝に銘じましょう。

じつは「低血糖」も健康に深刻なリスクをもたらす

高血糖は絶対に避けたいですし、本稿のメインテーマは「血糖値を下げる」です。しかし、ものには限度があります。下げすぎてもまた、問題が発生するのです。もちろん、血糖値スパイクが激しすぎて、著しく血糖値が下がってしまうのも看過できません。

これまで世に出てきた糖尿病に関連する本で、低血糖の危険性を強調しているものは、ほとんど見当たりませんでした。でも私は、じつは低血糖ほど体に良くないということを、アピールしていきたいと思っています。

低血糖が死亡リスクを上げるとか、低血糖が原因で不整脈や心臓の病気につながるとか、そういった指摘もされ始めてきていますので。

低血糖になると、体から活力が失われます。冷や汗が出たり、手足が震えたり、動悸がしたり、倦怠感に包まれたり、眠くなったり。誰もが、けだるさや調子の悪さを感じるでしょう。

そして、血糖値が下がりすぎると、意識障害やけいれんを起こし、最悪の場合、昏睡状態に陥って倒れてしまいます。ただたんに「調子が悪いな」では済まされないのです。

昏睡状態で倒れるまでに至らなくても、低血糖が長く続くと、糖新生が活性化して副腎ホルモンが足りなくなり、副腎疲労を引き起こします。また、コルチゾールなどの副腎ホルモンを体が必要としているときに出なくなってしまうこともあります。

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