「高くても低くてもダメ」血糖値の正しい整え方 人格破綻まで招きかねない「低血糖」の恐怖

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また、糖新生が亢進すると、脂肪と一緒に筋肉も溶かしてしまうので、筋肉が失われることになります。筋肉量の減少は、運動能力の低下や寿命の短縮につながることが明らかなので、軽く扱うことはできません。低血糖は本当に怖いのです。

(出所:『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』より)

以前、次のような興味深い論文を目にした記憶があります。凶悪犯罪者ばかりが収監されているアメリカの刑務所で、囚人たちの血糖値の変動を測定する調査が行われたそうです。

結果は、平均的な数値よりもはるかに上下動の幅が大きかったといいます。囚人たちは、血糖値スパイクによって高血糖と低血糖をくり返していたようなのです。

人格をも破綻させかねない「低血糖」の恐怖

この論文を目にしたときは、思わず「なるほど」とひざを打ってしまいました。なぜなら、低血糖がもたらす症状のなかには、不安、抑うつ、焦燥、混乱、異常行動などが含まれるからです。もちろん個人差はありますし、上下動幅の大きい血糖値スパイクが起こっている理由は定かではありませんが、凶悪犯罪者が総じて同じような状態にある可能性が高いことは、間違いないのでしょう。

低血糖は人格をも変えてしまう――大げさに表現すると、そういうことがいえるのかもしれません。

糖質や血糖値の研究者のなかには、いわゆる「キレやすい子ども」が増えたのは、糖質の摂りすぎが大きく関係していると主張する人もいます。糖質の過剰摂取は高血糖をつくりだし、それが血糖値スパイクを生みます。

そして血糖値が乱高下することにより、低血糖にもなります。もしかしたら、子どもの狂暴化は、そこに端を発しているのかもしれないということです。

また、糖質の摂りすぎが発達障害に影響するという説もあります。ごはんやお菓子の食べすぎは、肥満だけでなく、人格を変えたり、発達障害になったりする要因になるかもしれないと考えると、ちょっと怖いですよね。

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