今どきの日本の若者は「没個性」なのか?

「ミニマリスト」で「ノームコア」!

今、仲村さんは更なる刺激を求めてインドにいる。両国の学生で社会問題を議論する、日本インド学生会議に参加するためだ。担当するのは水道事業のプレゼン。在印中にミニマリストとしても一皮むける予定。

「今はシャンプー、コンディショナー、ボディーソープと3種類使ってるんですけど、インド滞在中に一つの液体石鹸ですべてを済ませる訓練をしてきます」

過度な主張は敵つくる

12万部のヒットを誇るミニマリストのバイブル『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』の著者、佐々木典士(ふみお)さん(36)は言う。

「僕自身『モノ=価値』という考え方をやめたら、他人の目が気にならなくなり、コンプレックスからも解放されました。自然体の自分を認めることで、人付き合いもうまくいくように。大切なのはモノより体験。ミニマリズムは目的ではなく、本当に大切な“こと”を発見するための手段なんです」

そんな価値観はファッションにも広がる。白Tシャツ、細身のデニム、ボリュームのあるスニーカー。ファッション通販サイトを運営するAさん(男性・31)は数カ月前、街を行き交う多くの若者が、同じような服を着ていることに気づいた。そう、流行の「ノームコア・ファッション」である。

ん? 初めて聞いたという読者のために解説しよう。「ノームコア」とは、2013年に米国のトレンド予測会社がつくった言葉で、どこにでもなじむ雰囲気を指す。この概念がファッションにも波及し、ラクでカジュアルな服を好む「ノームコア・ファッション」が生まれた。

周囲と同じような洋服を着ることへの抵抗感を表す「カブり」「ユニバレ」は今や死語。むしろ、周囲と同じ、大衆化した服を着たい若者が増加中だ。ユニクロメンズのドライカラークルーネックTシャツ、通称“パックT”が女子に激売れしたのが象徴的だろう。人気カラーも、白やネイビーなどベーシックだ。

Aさんの職場にドレスコードはない。毎日のコーディネートを考えるのに疲弊しきっていた地獄の日々に、ノームコア・ファッションという蜘蛛の糸が垂れてきた。早速、アメリカンアパレルの白と黒の同じタイプのTシャツを2枚ずつと、ユニクロの黒い細身のパンツを購入。現在は、街で見かけた人たちと同じような格好で通勤する。洋服で個性を表現しようと躍起になっていた頃に比べ、精神的にかなりラクになったという。

「ノームコアを一言で表現すると“没個性”ですね。僕も他人が着ているようなものを意識して買っています。自分らしさのかけらもないけど、ハズさないことのほうが大事なんです」

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