夢の国へ行く人が陥る「借金ディズニー」の実態 借金をしてもディズニーに行く人たちの言い分
しかし、有料版のファストパスに追加料金を払うのは、選択の余地がないように感じた、とエスフェラーは言う。
「せっかく来たのだし、次いつ来られるかわからない。そうなると、『よし、使おう。コストのことは帰ったら考えればいいや』となってしまう」とエスフェラー。「ただ娘に何も逃してほしくなかった」。
パーク内の移動コストもバカにならない
エスフェラーが「小銭泥棒」と表現したもう1つの例は、パーク内の移動手段である。以前、ディズニーはミニー・バンというブランドで、リフトが運営するシャトル・サービスを提供していた。同社は当初、リゾートの敷地内にある任意の2つの場所間の送迎に1家族につき一律25ドルを請求していた。2022年にエスフェラー一家が休暇を過ごしていたころには、代わりに需要に応じた変動価格制になっていた。
また、プリペイド式のダイニングサービスもなくなっていた(ディズニーは2024年にダイニングサービスを復活させている)。
ディズニーの広報担当者によると、同社はホテル、パークチケット、交通手段、グッズを含む複数の価格帯でバケーションオプションを提供しているという。同担当者は、ファストパスの価格モデルは業界の標準であり、変動価格制のメリットの1つは、需要の少ない乗り物やパークのコストを下げることだと語った。
クルーズは、バケーションのために借金をするのは避けるべきだとアドバイスしている。彼女は、もっと多くの家族が、国立公園を訪れるような、より安価な旅行を検討すべきだと提案する。ディズニー・バケーションは現実逃避のように感じられるが、家族は結局日常生活に戻らなくてはならないからだ。
「もしお金がなくて借金をしてしまったら、そのバケーションは次の数カ月の間、家についてくるのです」とクルーズは言う。