「55年前のレシピ」で作ったロールキャベツの味 昭和と現代のレシピで作り比べをしてみたら

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現代のレシピは、2020年刊行の『家庭料理100のきほん』から、グラフィックデザイナーから調理師学校で学び料理家になったワタナベマキ氏のレシピを選んだ。

材料はキャベツ、豚ひき肉、タマネギ、パン粉、牛乳、薄力粉、トマト、ニンニク。調味料は、オリーブオイル、塩、コショウ、A(溶き卵、塩、白ワイン、コショウ)、B(水、白ワイン、ローリエ)。

調味料をA、Bなどに分ける理由

まとめて入れる調味料をA、Bなどと分けるのは、レシピの文字数を減らすためもあって近年多用されている。文章が長いだけで、「めんどくさそう」と思う読者は多いようだ。使う調味料の種類が多くなったこともある。

一方で昭和のレシピは、前回の『きょうの料理』の肉じゃががそうだったが、材料欄には調味料名しかないのに本文に分量が出てくることがしばしばある。どちらにしても、注意深く読む必要がある。

調理工程は以下の通り。

① キャベツの葉は芯をそぎ取り、沸騰した湯で約1分半茹でてしんなりさせる。
② キャベツの芯とタマネギをみじん切りし、オリーブオイルでタマネギが透き通るまで炒めて冷ます。
③ 豚ひき肉、牛乳に浸したパン粉、A(溶き卵・塩・白ワイン・コショウ)と一緒に、ひき肉が白っぽくなり粘るが出るまでよく混ぜる。
④ キャベツの水気をペーパータオルで拭き、ハケなどで薄力粉を葉の内側にまぶして余計な粉をはたく。肉だねを等分に分けて俵型に整え、キャベツできつめに包んで巻き終わりを楊枝で留める。
⑤ トマトを湯むきし、ざく切りして種を取り除く。
⑥ 鍋でみじん切りのニンニクをオリーブオイルで炒め、香りが立ったら、トマトを加えて油をなじませ、B(水、白ワイン、ローリエ)とロールキャベツを加え、ひと煮立ちさせてアクを取り、ふたをして約20分弱火で煮る。塩、コショウで味つけしたら完成。

こちらは材料の種類が多く、しかも同じ調味料が何回も出てくるので、準備に手間取った。キャベツの芯を再利用するが、卵は余りトマトの種も除くので余る。ワタナベ氏の料理家歴は19年でここ数年、脚光を浴びる機会が増えた。料理の説明が合理的で明快だ。しかし、定番料理だからなのか、このレシピは手間がかかる。

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