「55年前のレシピ」で作ったロールキャベツの味 昭和と現代のレシピで作り比べをしてみたら
現在放送中の朝ドラ『虎に翼』8月15日放送回で、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が、1955年に交際中の星航一(岡田将生)を家族に紹介しようとする際に作ったごちそうがロールキャベツだった。
調理工程は以下の通り。
キャベツは冬キャベツをすすめている。「風呂敷で包む要領」は原文の表現通りだが、風呂敷が身近だった時代ならではの表現だ。バターを使うところが、フランスの影響と、乳製品が大人気でカロリーを積極的に摂ろうとした時代を感じさせる。
キャベツに包む前に肉を炒めるのはなぜ?
肉じゃがのときも、実は昭和のレシピのほうが時短だったのだが、今回もこちらが手早く作る方法だった。包む前に肉まで火を通すのは、流通過程で冷蔵・冷凍を行うコールドチェーンシステムができたばかりで鮮度が不確かで、食中毒を起こさないよう気を使ったのか。あるいは、欧米ではコンロで焼いてからオーブンに入れる料理も多いため、向こうの作り方を踏襲したのだろうか。
楊枝で留めずに絞って鍋にきっちり詰める、というやり方は簡単で食べやすそうだ。皿に移し替える際も、バラけたりはしなかった。
煮汁でソースを作るなら、汁を煮詰めてトマトケチャップを加えたほうがよいのではないかと思った。トマトケチャップも、当時は多くの家庭に常備されヘビロテされた調味料である。トマト味は普及し始めで、スパゲッティのナポリタンやミートソース、ハンバーグ用のソース、オムレツ・オムライスのソースとしても人気が高かった。
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