「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事

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高校受験では、熊本学園大学付属高等学校を第1志望に掲げて勉強に励みます。東海大学付属第二高等学校(現・東海大学付属熊本星翔高等学校)と熊本西高等学校には合格しましたが、第1志望には受からず、熊本西高等学校に進学する決意をしました。

そこでも勉強に励んだ尾形さん。「熊本西高校に入ったときの成績は上位10%くらいだったと思います。でも、そこから3年間は上位5%をずっとキープしていました」

高校に入ったころの彼は漠然と、化学や医学に興味を持っていた程度でしたが、この高校で受けた総合的な学習の時間で、自分の将来の方向性を明確にすることができました。

「高校2年生のときに、『10年後の自分を考える』という時間がありました。その授業の中で、私は自分が人と関わるのが好きだと思ったので、『人に何かを与えられる人になりたい』と目標を決めました。

そうなるためには視野の広さを身につける必要があるとも考えて、1つの場所ではなく、日本のいろんな地域や海外で生活したいと思うようになりました。理想の人間になるため、理想の生活を実現させるために行くべき大学・学部・進路をいろいろと考えた結果、医学部に行って医者になるのがいちばんだと思いました」

勉強のやり方がわからなかった

こうして将来の目標を医者に定め、受験勉強を開始した尾形さん。しかし、得意の英語と化学は模試の偏差値が70弱あったものの、ほかの科目は40~50程度。勉強のやり方や、合格するために必要な勉強量がわからずに、苦戦してしまいます。

「夏休みに熊本大のオープンキャンパスに行きました。医学部の受験生や学生を見て、みんな頭がよさそうだなと思ったんです。とりあえず毎日5時間は勉強していたら合格するだろうと思ったのですが、全然集中が続かず、勉強体力を身につける必要がありました」

高校3年生の夏からは、代ゼミに通って理系科目中心に勉強をはじめましたが、センター試験は58%くらいで、到底医学部には届かない点数でした。

「医学部しか受けるつもりはなかったので、今の段階でどれだけ点数を取れるかを確かめようと思い、熊本大学の医学部医学科を受験しましたが、全然ダメでした。特に数学は、2時間の試験の中で、1時間半まったく手をつけられませんでした」

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