「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事

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尾形さんは、熊本県熊本市に3人兄弟の長男として生まれました。父親は高校を中退してサラリーマン、母親は地元の短大を出て、尾形さんの祖父の会社の手伝いをしていました。

尾形さんは、幼少期の自身の性格を「引っ込み思案だった」と振り返ります。

「人に自分の考えを伝えることがすごく苦手な子どもでした。たとえば、親と一緒に買い物に行っても、『これください』が言えなかったんです。話す前に、『これってどうやって注文したらいいんだろう?』と考え込んでしまう子どもでした」

一方で、自身がやりたいことに関しては熱中して行動するようなタイプ。よくレゴを組み立てたり、テレビゲームをして遊んでいました。興味があることに集中する尾形さんは、地元の公立小学校では真ん中より上くらいの成績を取ることができました。

自分の意思で中学受験を決意したが…

このまま公立中学校に上がるかと思いきや、尾形さんは自分の意思で、6年生の初めに中学受験を決意。受験勉強をスタートさせます。

「私が進む予定だった中学が荒れていて、怖かったんです。なんとかこの環境から逃れる方法はないかと考え、6年生になってすぐの時期に同級生に相談したところ『私立の学校に行ったら、(その中学には)行かなくていいらしいよ!』と聞き、親に参考書を買ってもらって勉強しました。

とはいえ、小学生が独学で受験勉強をするのは相当厳しかったですね。周囲に中学受験の経験者が誰もいないので、塾に行って対策をしたり、模試を受けたりする発想もありませんでした。興味を持って取り組んだ科目以外はまったく対策ができないまま、(第1志望だった)九州学院中学校の入試を迎えて、何も手応えがなく落ちてしまいました」

こうして公立中学校に進んだ尾形さんは、中学受験で失敗した経験を引きずっていたものの、社会・理科などは受験勉強で鍛えられたことと、中学1年の5月から塾に通い始めたこともあり、中学に入った頃は120人中50~60位くらいだった成績が、最終的には15位くらいにまで上昇しました。

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