部下の「辞めます」で優秀な上司も降格になる時代 「辞めたら、また採ればいい」という感覚の弊害

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

募集すれば人が採れる。

そういう時代であれば、部下が辞めたなら、また募集をかければよく、部下の離職の原因となった上司がきつく責任を問われることはあまりなかったかもしれません。

例えば、営業成績がトップのベテラン営業マンの部下に対する当たりがきつく、その人が原因で何人も部下が辞めている。でも会社はその営業マンを一向にとがめない。

そんなケースもたくさん見てきました。

でも今、そんな状況が変わりつつあります。

人が採れなくなるほど、離職の責任は重くなる

少子化などの影響により、多くの会社は募集しても思うように人が採れません。その状況で社員に辞められると辞めた穴を埋めることができず、社員が減っていくのです。

そのため、部下の離職によって現場が回らなくなり、事業縮小や廃業に至る会社が増え、人手不足が原因の倒産は過去最多を更新しています。

このように、離職がもたらす影響が深刻化するにつれ、企業の人事評価にも大きな変化が生じています。

冒頭の事例のように、部下の離職の原因となった上司に対し、その責任をきつく問うケースが増えているのです。

長年の努力と苦労によって手に入れた地位が、部下の離職によって瞬く間に失われるわけです。

今後、人手不足が深刻化するほど、社員の評価において「部下が辞めていないか」を重視する会社が増えていくでしょう。

しかし、「部下が辞めたなら、また採ればいい」という感覚のまま仕事をしている人は少なくありません。

そして、部下にきつく当たるなどして部下が辞め、責任を問われる。冒頭の話はその一例です。

次ページ社員数が10年ごとに1割ずつ減っていく
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事