「人生100年時代」は明るい未来か、絶望なのか リンダ氏が提案する「若者が準備すべきこと」

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いまの時代は、女性も仕事を持つようになりました。将来は、家族の形ももっと多様になります。

2人ともキャリアを持つカップルもいるでしょう。パートナーのどちらかがキャリアを持ち、もう1人が家で家族の世話をする場合もあるでしょう。いくつかの国では女性がキャリアを持ち、男性が家で家族の世話をするのが一般的です。あるいは、同性のカップルが仕事をすることもあるでしょう。

つまりみなさんは多様な生き方ができるのです。幸せになる方法がたくさんあります。

チャレンジを支える無形資産

ただし、そのようなマルチステージの人生を楽しむためには、目に見える有形資産だけではなく、無形資産が重要になってきます。ここでいう無形資産とは、たとえば、健康・家族・友人などを指します。

もしあなたのとなりに70歳の人がいて、若いあなたの何が一番うらやましいかと聞くと健康と答えるでしょう。70歳まで働くとしたら、健康でなければ大変なことです。

長く生きるのであれば貯蓄が重要だと思うかもしれません。私も最初はそう思っていました。でも、70代まで仕事をするならお金は稼ぎ続けられます。8時間の睡眠をとること、健康的な食生活をすること、毎日1万歩歩くこと。100年人生を乗り切るバイタリティを手に入れましょう。

健康だけではありません。長い人生では、家族や友人の存在も重要です。私は10歳のとき、シャーリーという友達ができました。彼女とはいまでも親友です。60年来のつきあいになるわけです。友情は人生に大きな喜びをもたらします。想像できますか? いまの友達が70歳になっても友達かもしれないと考えてみてください。

日本ではすでに高齢化が話題になっていますが、実は欧米ではそうでもありません。みなさんのような若い人たちが高齢化について真剣に考えていることは、世界の注目を集めています。人生100年時代において、日本は世界各国の輝けるお手本なのです。いまから、100年時代を意識して準備を進めていきましょう。

(構成:佐藤友美)

(後編に続く)

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)
リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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