絶滅危惧「ツシマヤマネコ」人のせいで犠牲の悲劇 ロードキルは単なる「不幸な交通事故」ではない

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毎年4~5頭の死亡を人口1億2500万人の日本人に置き換えると、毎年500万~625万人が亡くなっている計算になります。このペースでツシマヤマネコの死亡が起こり続ければ、そう遠くない未来に、彼らは地球上からいなくなってしまうでしょう。

生息地の対馬では、ツシマヤマネコが安全に暮らせるように、事故発生地点にドライバーへの注意喚起の看板を設置したり、ツシマヤマネコが安全に移動できるよう道路と林をつなぐ足場を作ったりするなど、いくつかのロードキル対策を講じています。

島内各地に設置されているヤマネコの飛び出しに注意の看板①(写真:環境省対馬野生生物保護センター提供)
島内各地に設置されているヤマネコの飛び出しに注意の看板②(写真:環境省対馬野生生物保護センター提供)

こうした対策を社会に広く発信することで、制限速度を順守するドライバーが増えることを期待しています。車両のスピードが落ちれば、それだけ事故に遭う個体は減るでしょうし、不幸にして衝突した際も命が助かる可能性はあがるはずです。

轢かれて死んだ――だけじゃない?

ツシマヤマネコにかぎらず、全国各地で日々発生し続けているロードキルですが、その全容や遺体の死因についての詳しい調査はほとんど行われていません。ツシマヤマネコのロードキル調査は、希少動物であるがゆえの例外といえます。

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