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絶滅危惧「ツシマヤマネコ」人のせいで犠牲の悲劇 ロードキルは単なる「不幸な交通事故」ではない

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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耳の後ろに白い斑点があり、先が丸い耳をしている。体にはっきりとしないまだら模様がある(写真:環境省対馬野生生物保護センター提供)
しっぽは太くて長い(写真:環境省対馬野生生物保護センター提供)

100頭前後しか生息していないヤマネコ

環境省の調査によると、ツシマヤマネコは現在、わずか100頭前後しか生息していません。そのため、イリオモテヤマネコ同様、国の天然記念物であり(イリオモテヤマネコは特別天然記念物)、種の保存法に基づき、国内希少野生動植物種に指定されています。

絶滅のおそれのある野生生物の種のリストをまとめた「環境省版レッドリスト」でも、最も絶滅のおそれが高いとされる「絶滅危惧IA類」という評価です。

そんな希少なツシマヤマネコが、環境省が記録をとりはじめた1992年から2024年8月現在までに合計135頭、ロードキルによって死亡しています。地球上にたった100頭ほどしかいないのに、交通事故によって毎年4~5頭も死んでいる計算になります。

実際には、交通事故だけでなく、シカを捕獲するくくりわなにかかるなどして、さらに年に数頭が死んでいます。

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