日清「カップヌードル」がこだわる微妙な差 人気3シリーズ、麺の違いを知っていますか
スープは麺と麺の間のすきまに引っ張られるようにして口の中へと運ばれるが、通常の麺だとカレーの味のインパクトが強すぎて、いわゆる「麺がスープに負ける」という現象が起きてしまう。
ラーメンにとって最も重要なのはスープと麺のバランス。カレーだけは麺を少し太くすることによって、麺がひっぱってくるスープの量をおさえ、口の中でちょうどいいバランスになるようにしているというのだ。
日清食品の開発セクションでは、年に200アイテム以上のペースで発売されるすべての新商品について、常に最もいいバランスでスープが運ばれるよう、ミリ単位で麺の太さについて研究しているという。
麺の差は、太さだけではない。なんと、3つのカップヌードルでは「麺の味」そのものにもすべて「差」があるのだという。知らなかった・・・。「カップヌードル」の麺は醤油とチキンの味、「シーフードヌードル」の麺は、魚介の風味を邪魔しないようシンプルな醤油味、「カップヌードルカレー」はポークの味、がそれぞれの特徴になっているという。
もちろん市販品ではすでにスープの粉末がかかってしまっているため麺の味だけを純粋に比較できない。そこで今回は特別に、加工前段階の乾燥麺だけを日清食品に提供してもらって試食をしてみた。すると、本当に、味の差を感じ取ることができた。言われなければ絶対に気がつかないわずかな差。ここに日清食品の強いこだわりがある。
「3分」で出来上がるワケ
ちなみに、インスタントラーメンといえば「3分」で完成するのが当たり前、という感覚になったのも、チキンラーメンやカップヌードルの影響だと思われるが、そもそもなぜ「3分」なのだろうか?
藤野氏いわく、「1分で戻る麺を作ろうと思えば作れるのだが、その分麺が細くなるので早くのびてしまう」とのこと。さらに、「空腹は最大の調味料」ともいうように、3分間待つことで空腹感が高まり、より美味しく食べられる効果もあるとか。食べる側の心理まで計算しつくされているのだ。
安藤百福はこんな言葉も残している。
「単なるモノであることを超え、ひとつの文化として受け入れられる商品を生み出すことは、利益だけを求める姿勢からは生まれません」
日本で生まれ、世界にも広がるカップヌードルに隠された「この差」を知ればその味わいもまた違ってくるかもしれない。
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