「とりあえず生ビール」の「生」って一体何だ?

意外と知らないビール業界の裏側

生ビールといえばジョッキに注がれるイメージだが・・・(写真:hide88 / PIXTA)

居酒屋のメニューでよく見かける「生ビール」と「瓶ビール」。改めて「この差は何?」と問われると、皆さんは答えられるだろうか?

ある人は「冷えたジョッキでグーッと飲む、クリーミーな泡の生ビールの方が絶対に美味しい!」と味の差を力説。「瓶ビールのほうが断然お得!」と価格の差を語る人や、「中華や焼き肉には生ビールだけど、おでんの時は絶対瓶ビール!」とシチュエーションの差を論じる人もいる。

「あなたはどっち派?」

訊ねただけで、やれ生ビールだ、やれ瓶ビールだと、これだけで結構話が盛り上がるわけだが、はたしてこの差は一体何なのか?TBSテレビ「この差って何ですか?」(5月10日<日>よる7時)取材班は、謎を解くべく、日本ビアジャーナリストの藤原ヒロユキ氏に話を伺った。

生ビールと瓶ビールに差はない!

藤原氏によると、何と「生ビールと瓶ビールに差はまったくない」という。ジョッキで飲むか、中身をグラスに注いで飲むかの違いだけで、ビールそのものは同じものだという。いやいやいやいや、そんなバカな・・・それじゃ、どっちのキレがいいとか、どっちの喉ごしがどうだとか、散々盛り上がったわれわれはいったい何なのだ?

「現在日本で製造されているほとんどのビールは、瓶・缶問わず、すべて『生ビール』」(藤原氏)なのだという。確かに、各メーカーから売られている様々なビールをよく見ると、しっかりと「生ビール」の表記がある。しかし、そもそも何が「生」なのか。

生チョコ、生めん、生キャラメル・・・「生」とつくだけで贅沢な味わいが楽しめて、何かしら付加価値がついている感じがするが、ビールの「生」って?そして「生ビールじゃないビール」があるとしたら、それは一体どんなビールを指すのだろうか。

そもそもビールは、麦汁にビール酵母を加えて発酵させ、ある程度熟成がすすみ、うまみが十分引き出されたタイミングで酵母を取り除き、それ以降の余計な発酵を止めて完成…となる。日本で最初にビールを製造しはじめた1872年頃からしばらくは、酵母を取り除くための濾過技術の程度が低かったため、加熱処理をして発酵を止めていた。これを「熱処理ビール」と呼んでいた。

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