各年齢別の初婚数、第一子出生数、第二子以降出生数の2000年から2022年までの減少数を比較したグラフが以下です。
29歳までの初婚数の減少が約33万組、第一子出生減が、約24万人、第二子以降の出生減が約15万人。30代以上の減少が抑えられても、また、40代以上はすべてプラスだったとしても、それで29歳までの減少幅をカバーできるレベルではないし、第一子の減少(つまりは、初婚の減少)こそが、現在の出生数減少の根源であることがわかります。
逆にいえば、出生数の減少を本気で抑えたいのであれば、この20代での初婚数の減少幅を小さくしないとほぼ意味がないということです。
晩婚化や晩産化の問題ではない
また、少子化の要因として晩婚化や晩産化をあげる人がいますが、これらのデータからわかることは、起きているのは晩婚化や晩産化ではないことです。2015年までは晩婚化や晩産化があったかもしれませんが、それ以降2022年にかけては、晩婚化や晩産化という後ろ倒しではなく、20代で初婚や出生をしなかった層は、そのまま30代でもしないままという状況に変わっています。40歳以降の初婚や出生数は増えていますが、全体から見れば微々たるものです。
特に、20代女性が結婚に踏み切るには、夫となる相手の経済力を気にしないわけにはいきません。かつて夫年上婚が多かった時代では、その経済力は年の差でカバーできていたかもしれませんが、昨今夫年上婚は激減しています。
婚姻数の多かった1970年には8割を占めた夫年上婚は、2020年には5割台に低下。絶対数でも62万組から16万組へ減少、年間当たり46万組も減少しています。この46万組減少はほぼ全体の婚姻数の減少数と同等であり、つまり、婚姻数の減少はほぼ夫年上婚の減少によるものです。
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