「半沢直樹は要らない」AIに勝てる人間だけの能力 AI社会はあなたや子どもにどんな能力を求めるか

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まずは、学びの世界である教育界です。わからないこと、知りたいことなどの疑問に対して、どこまでも深掘りして、答えまで独自にたどりつけるチャットプロセスは、学校で授業内容がわかる生徒もわからない生徒も集団で一律に学ぶ現在の環境とはまったく違い、まさに個人の理解度に沿った形で学べる家庭教師そのものです。

したがって、現状の教室での授業だけを取り上げれば、本人の向学意欲を満たし、あるいは遅れを取り戻せる分野の問題に取り組むことができる点で大いに違いが出ます。

だからチャットのほうが、ずっと学習効果があり、またコストもかからないことから、学校教育の制度も見直されるようになるのではないかと予想されます。

先生のこれまでの添削とChatGPTの添削の差

一方で、このチャット式勉学では思考する能力が削がれるのではないか、との見方も当然出てきます。

読書感想文の宿題を、生徒がChatGPTに書かせたとしたら、たしかにその懸念はもっともです。しかし、生徒が書いた作文をChatGPTに添削させて、その添削が良いと思うかどうかを話し合ったり、さらにAIにはできないような文章にするにはどうしたらよいか、といったことを話し合う方法でAIの活用法を学ばせるとしたら、大いに意味があります。

数日後に返ってくる先生のこれまでの添削と、その場で返ってくるChatGPTの添削とでは、学ぶ鮮度がぜんぜん違うからです。さらにChatGPTは、「なぜ文章を変更したのか」と質問すれば、その理由も丁寧に答えてくれます。

生徒が「なぜ」という探究心を持ってAIに自らたずねれば、そこに考える力の刺激を受けて自発性が育ち、逆に思考能力を高めることにつながるのです。

この「なぜ」という疑問を持つことが、後述する「知頭力(ちあたまりょく)」の重要な要素となっていることがわかります。

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