「半沢直樹は要らない」AIに勝てる人間だけの能力 AI社会はあなたや子どもにどんな能力を求めるか
もちろん専門職ですから、人間はベースとなる知識を学習していなければなりませんが、AIの学習量を見れば、何千万という専門書や論文の数であり、またその内容も一字一句記憶していて、いつでも完璧に取り出せるわけですから、人間はとてもAIには太刀打ちできません。
そこで人間には、よい判断が下せるような段取りが必要になります。ChatGPTの場合は質問の仕方次第で、回答の精度がまったく違ってきます。
よい質問とは、AIにどんな人の役割になって回答してほしいか、明確な役割を与えることで、そのためには、はっきりとした質問の意図や詳細な背景、そして入れてほしくない情報や回答の文字数、その他の前提条件を入力することです。
また回答を受けて、繰り返しその続きの質問ができますから、この深掘りの繰り返し方法でもよい結果が得られるのです。
産業革命のあと新しい職も生まれた
産業革命のあとでは、もちろん無くなった職も出ましたが、新しい職もその後次々と生まれました。ゴールドマン・サックスの報告によれば、現在の労働人口の60%が、1940年には存在しなかった職業に就いている、とのことですが、今回のChatGPTによる知能革命では、すでにプロンプト・エンジニアという新しい職が誕生しています。
このプロンプト・エンジニアとは、よい質問を提案する人のことで、年収の相場が4000万~5000万円。そのスキルを売買するネットサイトまで出ています。
これからは高学歴を必要とした職で弁護士を例にとれば、人間を必要とする仕事の絶対量がAIの肩代わりにより減ってきます。だから今まで4人でこなしていた作業は、2人か1人で充分だということになり、さらにまた少子化により、案件そのものも減ってきて追い打ちをかけることになりますから、熾烈な競争の世界が予想されます。