犬をデキ愛「徳川綱吉」令和にも通じる深い信念 生類憐みの令の印象が強いが、意外な一面も
時代が変われば、歴史人物の評価も変わる――。「歴史上で悪役とされるか、英雄とされるかは、意外と紙一重だったりします」。そう語るのは、偉人研究家の真山知幸氏。嫌われ者だったりした人物たちが、再評価されることも、珍しくはないという。そのうちの1人が、「犬公方」という呼び名で知られる、第5代将軍の徳川綱吉だ。『実はすごかった!? 嫌われ偉人伝』を一部抜粋・再構成し、綱吉の素顔について、解説する。
「嫌われる歴史人物」にはパターンがある
歴史人物が嫌われてしまう理由には、いくつかパターンがある。
まずは「ワガママだから嫌われる」というパターンだ。武士として初めて太政大臣に任じられて、政治を意のままにした平清盛や、「安政の大獄」によって、自分に異議を唱える者をとことん弾圧した大老の井伊直弼、西郷隆盛を死に追いやった大久保利通などのように、「自分の思い通りにいかないと気が済まない」タイプが該当する。
また、源義経をウソで陥れたチクリ魔の梶原景時や、「関ケ原の戦い」でなかなか態度を決めなかった小早川秀秋のように「ずるいから嫌われている」歴史人物もいる。
さらにいえば、名門の武田家を滅ぼしてしまった武田勝頼や、敵前逃亡した将軍・徳川慶喜のように「失敗したから嫌われている人物」もいれば、横柄な態度で斬られた吉良上野介や、横暴なふるまいで新選組の仲間から暗殺された芹沢鴨のように「イメージ先行で嫌われている人物」もいる。
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