韓国がついに伝統の「犬食禁止」踏み切った事情 「伴侶動物」という考え方が伝統も変えている
犬肉を食べることは「慣習」なのか「動物虐待」なのかーー。韓国の国会で「犬食禁止特別法」が可決され、長年続いてきた論争に終止符を打った。しかし、食用として飼育されていた数十万匹の犬をどうするのかなど課題も山積し、今後も犬肉をめぐる議論は続きそうだ。
なぜ、韓国社会は「伝統」として容認してきた犬食を禁じる選択をしたのか。その背景には、「伴侶動物(Companion Animal)」という考え方がある。「ペッファム(pet+family)族」という新造語も登場し、航空業界などさまざまなビジネスに影響を与えているのだ。
飛行機でも同伴可能になっている
韓国で広がっている「伴侶動物」という考え方は、「ペッファム族」の新造語を生み出した。「ペッファム族」とは、ペット(pet)とファミリー(family)を組み合わせた言葉だ。「伴侶動物」は家族のような存在でつねに一緒に行動する人を指す言葉である。こうした「ペッファム族」にいち早く目をつけたのが航空業界だ。
日航機の炎上事故を経て大論争となっているが、日本では飼い犬や猫と飛行機で移動する場合、盲導犬や介助犬を除き飼い主とともに客室を利用することができない。受託荷物として預けることが一般的だ。
しかし、韓国の航空会社は、「伴侶動物」をキャリーケースに入れ、機内持ち込みができるようにした。伴侶動物を飛行機の貨物室に入れ、ひとりぼっちにさせることに抵抗を感じる乗客の心を掴むビジネスだ。
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