韓国がついに伝統の「犬食禁止」踏み切った事情 「伴侶動物」という考え方が伝統も変えている

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韓国政府は、業者の廃業や飼育されている犬の保護などを支援する計画だが、今現在具体的な支援策が見えないままだ。犬肉をめぐる混乱はしばらく続くことが予想される。罰則の3年間の猶予でグレーゾーンが発生し、犬肉が流通・販売される可能性は十分にあるのだ。

なぜ犬を食するようになったのか

犬肉を食べる風習は、朝鮮王朝時代の記録に度々登場する。朝鮮王朝時代に刊行された医学書「東医宝鑑(ドンウィボガム)」(1613年)には、犬肉が「五蔵を安定させ、血脈によい」という記述がある。体に栄養を補う食べ物として犬肉は、貴族から庶民まで広く楽しまれたという。現在は「補身湯(ポシンタン)」という名前で残っている。

犬肉を食べる文化に疑問の声が現れ始めたのは、1988年前後のことである。1988年にはソウルでオリンピックが開かれた。オリンピックの開催地韓国に犬肉を食べる慣習があることが国際社会に広く知られ、海外から厳しい目が向けられた。

こうした批判をかわすため、オリンピック開催期間中、開催都市であるソウル市で「補身湯」の販売を禁止する臨時の政策を講じたが、「補身湯」がなくなることはなかった。

一方、オリンピックを機に、韓国国内でも動物保護に関する認識が高まり始め、1991年には「動物保護法」が成立する。しかし、犬肉は「伝統の食文化」として、保護の対象には含まれなかった。

むしろ、1999年には保守系野党議員が犬肉を畜産物として扱い、事実上犬肉を合法化する法案が国会に提出されると、これまで潜在していた犬肉に対する反対世論が急激に増え、ペットに対する意識も変わっていく。

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