犬を食べたら≪3年以下の懲役、または約300万円以下の罰金≫に。韓国の「犬肉文化」が今さら禁止された理由とは?北朝鮮はタンコギとして珍重

韓国で2024年1月9日、食用目的での犬の飼育・食肉処理・流通などを禁じる「犬食禁止法」が成立した(写真:A_Team/PIXTA)
ことし6月に大統領選挙を控える韓国。
昨年末にユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領が「非常戒厳」を宣言して以来、混乱が続いています。
なぜこのような事態が起こってしまったのでしょうか。
韓国社会の闇に朝日新聞元ソウル支局長が迫った新著『韓国大乱』では、占いや宗教にすがる人々、熾烈な学歴競争など韓国社会の病理を描き、今後の日韓関係、東アジア情勢を解説しています。
本稿では同書から一部を抜粋しお届けします。
犬食禁止と忖度
韓国で2024年1月9日、食用目的での犬の飼育・食肉処理・流通などを禁じる特別法(犬食禁止法)が成立した。違反者には、3年以下の懲役、または3000万ウォン(約300万円)以下の罰金が科される。犬肉に関係する業界に配慮して、法律の施行は公布から3年後とする猶予期間も設けられた。
過去、1988年のソウル五輪など国際社会の視線が韓国に集まるたび、話題を集めてきたのが、長い歴史を誇る韓国の「犬肉文化」だった。東洋文庫『朝鮮の料理書』(平凡社)には、「狗肉の腸詰」「狗肉の串焼き」「狗肉の汁」「狗肉の蒸しもの」など、朝鮮王朝時代の調理方法が詳しく紹介されている。長く、牛や豚、鶏などを十分に食べられない時代があり、犬肉は朝鮮の人々にとっての貴重なタンパク源として愛好されてきた。
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