(第17回)携帯とスマホの差は 垂直統合VS.水平分業

(第17回)携帯とスマホの差は 垂直統合VS.水平分業

携帯電話とスマートフォンとの違いは何か? 最も基本的な違いは、オープン型とクローズド型の違いであある。

スマートフォンは、利用者が個別ニーズに応じてアプリケーションを選び、インストールできる。それによって使い勝手が大きく向上する。スマートフォン用のアプリケーションは多数供給されているので、極端にいえば、まったく同じスマートフォンはないとさえいえる。

こうなるのはOS(基本ソフト)が公開されているからである。正確にいうと、iPhoneはOS上のアプリがオープン化されている。これは「プラットフォームとしてのOS」と呼ばれる。それに対して、アンドロイドでは、OSそのものが機器メーカーに公開されており、「オープンソースOS」と呼ばれる。二つの差については後述する。

オープンなシステムでは、アプリの供給者が多数現れる。大勢が参加するほうが、発展の可能性が高まる。しかも、スマートフォンの場合、アプリ作成者は企業というよりは個人だ。だから、供給者は非常に多数で、多様になる。

スマートフォンは、登場してから日が浅いので、どのような使い方が効率的なのか、まだわからない面も多い。それは競争を経て決まることになる。通信方式も、携帯電話の3Gがよいのか、それとも光回線のWi−Fiがよいのか、あるいは別の方式がよいのか、はっきりしない。技術の進歩は急速なので、それに柔軟に対応できるのがよい。そこでも競争が不可欠だ(なお前回、iPhoneの販売はソフトバンクに独占されていると書いたが、来年からKDDIも扱うことになる)。

携帯電話の場合にも、サードパーティーによるアプリの供給はあった。しかし、携帯電話OSは基本的に非公開であり、アプリの開発にはさまざまな制約が課せられていた。アプリは基本的にはキャリア(通信業者)によって決められる。だから、アプリの供給は限定的だった。また、端末そのものが通信業者の仕様で決められるので、メーカーは通信事業者の「下請け」になってしまった。

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