(第16回)スマホも日本でガラパゴス化する

(第16回)スマホも日本でガラパゴス化する

スマートフォンの普及が日本では著しく遅れていると、前回述べた。2011年8月末時点での携帯電話契約件数は1億2654万であるが、スマートフォンのシェアは1割にも満たない。

日本でスマートフォンの普及が遅れている原因はいくつかある。第一は、日本企業が閉鎖的でインターネットのクラウド的利用をしていないため、スマートフォンをビジネスに活用しにくいことだ。前回述べたように、会社情報をGメールにのせることは多くの企業が禁じている。スマートフォンの大きな利点はGメールをどこでも見られることだが、それが禁じられていれば、スマートフォンの利用価値は大幅に減少する。

また、電波環境も悪い。無料のWi−Fiを使える場所はほとんどない。アメリカでは無料のWi−Fiが利用できるスポットがたくさんある。空港、公園、ホテルのロビー、スターバックスの店舗等々。

クラウド時代以前から、日本におけるインターネット利用環境は貧弱だった。ホテルの部屋に回線が来ていても、いまだに高い利用料金を取られる。アメリカのホテルやモーテルでは、高速回線を無料で使えるのが普通だ。クラウドの環境は社会インフラだ。それがないところでは、クラウド機器の利用は進まない。

スマートフォンが普及しないもう一つの理由は、「今の携帯電話のほうが便利」と考えている人が多いことだ。実際、日本の携帯電話は、さまざまな機能を持った世界でもまれな「高級機」なのである。しかし、これは日本の先進性を示すものではない。それどころか、日本の病理現象の結果なのだ。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
  • 就職四季報プラスワン
  • 見過ごされる若者の貧困
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT