(第15回)クラウド大戦争が縁遠い日本の風景

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(第15回)クラウド大戦争が縁遠い日本の風景

「アイフォーンの販売が1億台を超えた」

これは、今年4月のアイパッド2の発表イベントにおいて、アップルCEO(当時)のスティーブ・ジョブズが述べた言葉である。

「エッ? 1ケタ間違えているのではないか?」というのが、これを聞いたそのときの私の反応だった。

考えていただきたい。アイフォーンは、3GやWi−Fiなどの無線がなければ使えない機器である。だから、アフリカのジャングルや砂漠では使えない。世界70億の人口のうち、これを使える環境にいるのは先進国の住民だけだと考えれば、9億人だ。その中には赤ん坊や老人もいる。決して安くない機器を購入し、月々ばかにならない通信費を払える人は、多く見積もっても3億人くらいだろう。しかも、スマートフォンはいまやアイフォーンの独占ではない。だから、1億人がアイフォーンを購入したなどとは、誇大宣伝もいいところだ……。

と考えて、アイフォーンの売り上げ推移を調べてみたところ、ジョブズはウソを言っているのでないとわかった。アイフォーンが最初に売り出されたのは2007年だが、販売台数は発売後74日で100万を突破した。その後は、08年に1160万、09年には2070万、10年には4000万と、ほぼ毎年倍増のペースで推移している。

念のために思い出していただきたいのだが、08年はリーマンショックが起きた年である。「アメリカ式資本主義は自滅した」という意見すら聞かれた年だ。09年の第1、第2四半期には、日本の製造業は全体として赤字に陥った。そのときにアメリカでは、このような驚くべき商品が登場していたのである。

11年のアイフォーンの売り上げは、半年間で5520万台となった。しかも、近々、新製品であるアイフォーン5が発売されるといううわさも飛び交っている。したがって、今年の売り上げ台数が、昨年の2倍以上になることはほぼ確実だ。

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