(第15回)クラウド大戦争が縁遠い日本の風景

✎ 1〜 ✎ 80 ✎ 81 ✎ 82 ✎ 最新
拡大
縮小


 MM総研によると、10年度の日本のスマートフォン出荷台数は855万である。上述の数字と比較すると、世界に占めるシェアは2・88%ということになる。

GDPでは、09年世界約58兆ドルのうち日本は約5兆ドルで、シェアは8・68%だ。それと比べると、スマートフォンが3%未満というのは、日本がクラウドの潮流から取り残されていることを明確に示している。

これは、われわれの日常的観察とも一致する。先日ある新聞で、「これまでの携帯電話のほうが便利」という読者の声が目についた。そう考えてしまうのも無理はない。スマートフォンは、Gメールなどのウェブメールやウェブカレンダーを使っていた人には生活が一変するほどの変化をもたらすが、そうでないと「ただの箱」になりかねないのである。

「スマートフォンって、何のための機械?」というのは、日本ではごく当たり前の質問だ。前々回、「アップルの成長は、アメリカが近視眼的になっている証拠だ」という意見を紹介したが、こうした意見の人もスマートフォンをそう考えているに違いない。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT