(第16回)スマホも日本でガラパゴス化する

SIMロックと「ガラケー」

日本の携帯電話が「高機能」であるとは、さまざまなことができるという意味である。「おサイフケータイ」で財布代わりになったり、「ワンセグ」でテレビが見られる。私はこうした機能を一度も使ったことがない。必要ないからだ。私にとって重要なのは、PCとの間でデータの交換ができることである。それができれば仕事の効率は大きく上昇するし、できなければ役に立たない。

なぜこのような高機能を提供できるかといえば、顧客の囲い込みがなされているからだ。日本では、後で述べる事情により、機器と回線利用がセットで販売されている。ある機器を買った人は、特定の事業者が提供する回線しか利用できず、料金やサービス内容を見て他の回線に乗り換えることができない。

回線提供者の立場から見ると、利用者が離れないので、安心してさまざまなサービスを付与できる。その結果、日本の携帯電話は異常に高機能化し、異常に高価な機器となり、日本以外の国では売れない製品となった。日本の携帯電話が「ガラケー(ガラパゴス携帯)」と呼ばれるのはこのためだ。日本は世界標準からずれているのである。

携帯における囲い込みは、「SIMロック」という方式で行われている。現在使われている第3世代携帯電話(3G)では、電話番号やネットワークの情報が入っているSIMカードを端末に挿して使う。

現在の日本では、特定の端末は、特定の事業者のSIMカードしか使えないようになっている。この状態をSIMロックと呼ぶ。ロックされていない機器(ロックフリーの機器)も販売されているが価格が高い。

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