(第16回)スマホも日本でガラパゴス化する

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日本国内で販売されている端末はSIMロックされているものだけなので、海外で携帯電話を利用する場合にはローミングという仕組みを使う。この料金は非常に高い。もともとは国境を越えて使うために導入された仕組みが、日本では逆になっている。

「アジアとの経済統合を進めるべきだ」としばしば言われるが、現実はこのような状態なのだ。フィリピンとFTA(自由貿易協定)を結んでも、看護師試験で事実上排除しているが、それと同じことだ。

こうした状態はPCにもあった。かつて日本では、NECの9801が「国民機」と言われた。アメリカのPCは日本語で使うのに難点があったので、日本では国産機しか使えなかった。つまり典型的な「ガラパゴス現象」の条件があったのだ。しかし、この状態は、MS/DOSの登場で一挙に破壊された。今では、日本のPCメーカーは見る影もない。

日本の競争は囲い込み競争

携帯電話と同じことが、スマートフォンでも生じる可能性がある。なぜなら、SIMロックはスマートフォンにも持ち込まれているからだ。

iPhoneの回線はソフトバンクモバイルが提供しているが、SIMロックがかかっていて、他社回線を利用することができない(海外で販売されているiPhoneはSIMロックフリーなので回線は自由に選べる)。ソフトバンクはiPhoneという超ヒット商品を日本で独占しようとしているのである。

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