(第17回)携帯とスマホの差は 垂直統合VS.水平分業

2010年にトップだったノキアのシンビアンが5年後にはほぼ消滅し、それに代わってアンドロイドが半分近くのシェアを持つようになる。アップルのiOSは11、12年は2位だが、以後伸び悩むという予測になっている。

なお、マイクロソフトもウィンドウズフォンというスマートフォン用のOSを開発している。ノキアは、ウィンドウズフォンを採用したスマートフォンを年内に発表するといわれている。ガートナーの予測では、15年にはウィンドウズフォンがiOSを抜いて、シェア2位になる。

さらに、マイクロソフトは先頃ウィンドウズ8を発表した。これは、タブレット端末にも用いることのできるOSだ。それに対してアップルは、iクラウドを今秋に発表するといわれている。

このように競争の構造は複雑だ。この結果がどうなるかは、まだ見えない。はっきりいえるのは、スマートフォンやタブレット端末、あるいはクラウドの競争は、ハードウエアにおけるものではなく、ソフトウエアに関するものであることだ。

機器の製造に終始するかぎり、この分野での覇権を握ることはできない。したがって、この事業から大きな利益を期待することもできない。競争の主要プレイヤーは、アップルでありグーグルであり、マイクロソフトなのだ。日本は残念なことに、この競争の埒外に置かれている。


野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授■1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省(現財務省)入省。72年米イェール大学経済学博士号取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より現職。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書は『金融危機の本質は何か』、『「超」整理法』、『1940体制』など多数。(写真:尾形文繁)


(週刊東洋経済2011年10月8日号 写真:大澤誠)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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