(第17回)携帯とスマホの差は 垂直統合VS.水平分業

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現在のところ日本では、SIMロックのために、スマートフォンでも機器と通信が分離されていない(KDDIがiPhoneを扱うようになっても、KDDIの通信方式はほかのキャリアと違うので、機器と通信が完全に分離されることにはならない)。しかし、これはスマートフォンの本来の形ではない。SIMが解除されて、利用者が機器と通信業者の組み合わせを自由に選べるようになれば、機器と通信が分離されることになるだろう。

アップル対グーグル対マイクロソフト

ところで、右に述べたように、iPhoneでは、OSと機器が分離されていない。それに対して、アンドロイドでは、OSと機器が分離されている。すなわち、アンドロイドというOSをグーグルが供給し、機器をサムスンを始めとするエレクトロニクスメーカーが供給している(ただし、アップルも自社で工場を持っているわけではなく、生産には台湾の鴻海精密工業の中国子会社である富士康科技集団(フォックスコン)など多数のメーカーが関与している。その意味では、OSと機器が分離されているといってもよい。ただし、メーカーはアップルが選んでいるので、自由な参入が可能であるアンドロイドの場合とは異なる)。

このように、アンドロイドのほうが、分離の程度は高い。だから、より多数のメーカーが参加できることになる。その意味では、アップルの製品よりも可能性が高いといえる。

この構造は、PCの場合と似ている。PCでは、マイクロソフト、インテル対アップルの対立があった。この時はマイクロソフト、インテル連合軍が勝った。スマートフォンでも同じことが生じるのだろうか?

図に示すのは、アメリカの調査会社ガートナーによる移動端末のOS別シェアの予測である。


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