ファミマ、「カラフル靴下」が2000万足突破の衝撃 地味だった衣料品売り場を「主役級」に大改革

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驚くべきは、ファミマ本部側の担当者は須貝氏を含め2人だけということ。須貝氏は「正直、大変です」とこぼすが、繊維関係のノウハウに乏しいコンビニが、少人数かつ短期間で多数の商品を開発・販売し続けるのは「大変」どころではない。

この点は親会社である伊藤忠商事のバックアップも大きい。同社の担当者も毎週の開発会議に出席。ファミマ本部やメーカーと密接にコミュニケーションを取り、国内外の協力工場との調整役にもなっている。

デザイナーを交えた開発会議は毎週水曜日に行われている。「いつも朝から晩までかけてやっている」(須貝氏)ほどの熱の入れようだ。

生産体制を整え、主役級の売り場へ攻勢

一気に成長を遂げたコンビニエンスウェアだが、衣料品ならではの課題もある。直近で開発に注力するボトムスのような新商材は、手探りで十分な数を準備できず、店頭ではすぐに売り切れがちだ。さらなる拡販には、生産体制や販売計画の磨き込みが求められる。

また、衣料品を強化する動きは競合にも広がっている。ローソンは目下、無印良品の衣料品や雑貨類を扱う店舗を増やしている。今年4月からは共同開発した靴下やハンカチなど、ローソン限定商品の販売も始めた。

新商品が少なく「動かない売り場」だったコンビニの衣料品は、今や最も変化の激しい売り場になりつつある。新たな客層を巻き込み続けることができれば、脇役から主役級の売り場に成長する日も近そうだ。

冨永 望 東洋経済 記者

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とみなが のぞむ / Nozomu Tominaga

小売業界を担当。大学時代はゼミに入らず、地元密着型の居酒屋と食堂のアルバイトに精を出す。好きな物はパクチーと芋焼酎。

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