ファミマ、「カラフル靴下」が2000万足突破の衝撃 地味だった衣料品売り場を「主役級」に大改革
毎日全国で1万6000足以上売り上げる、コンビニ衣料の実力とは――。
ファミリーマートのオリジナル衣料品ブランド「コンビニエンスウェア」が好調だ。2023年度の同ブランドの売り上げは前期比で3割伸び、初めて総額100億円を超えた。外国人観光客がソックスや今治タオルのハンカチを土産用にまとめ買いするケースもみられ、2024年度も前期比3割増のペースで推移している。
ファミマのチェーン全店売上高(約3兆円)からすれば小粒だが、アパレル業界なら中堅ブランドの規模だ。大手のアダストリアが展開する「グローバルワーク」の5分の1、「ニコアンド」の3分の1程度に相当する。
コンビニエンスウェアの代名詞であるソックスは、今年5月に累計販売数2000万足を突破。全国展開を開始した2021年3月から計算すると、1日当たり1万6000足以上も売れている計算だ。
2週間~1カ月ごとに新商品を投入
コンビニエンスウェアはコロナ禍の2020年にスタートしている。国内の新規出店余地が限られる中、各チェーンにはこれまで以上に新たな需要の取り込みが求められていた。そこでファミマが目をつけたのが衣料品だ。従来は下着類など出先で必要なときに買われる「緊急需要」が中心で、売り上げ規模も小さいものだった。
「コンビニで衣料品を買う文化をつくる」を目標にプロジェクトが始動し、大阪で実験販売を開始。緑、白、青のファミマカラーのソックスなどを売り出した。大阪を選んだ理由は消費者やオーナーからより正直な声が聞けるからだった。
ブランドの発足に当たって重視したのは売り場の新鮮さだ。従来の衣料品は白や黒など、無難なデザインの商品が多かった。コンビニエンスウェアでは著名デザイナーの落合宏理氏がデザインを担当し、日常のファッションアイテムとしても使える点を強く打ち出した。
新商品の投入頻度も高めた。従来は春と秋に商品を入れ替えるだけで、半年間はほぼ動かない売り場だったが、コンビニエンスウェアは新商品を2週間~1カ月に1回のペースで投入している。
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