イーロンマスクが実績ゼロから宇宙を目指せた訳 民間企業が宇宙ビジネスをリードできるアメリカ

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米Intuitive Machines社(インテュイティブ・マシーンズ)はNASA出身者らが2013年に起業しました。2024年2月23日、同社の開発した無人月着陸船「Nova‐C(ノバシー)」が月面に着陸し、地球との交信に成功しました。民間企業では世界で初めてで、米国としては「アポロ17号」以来、半世紀ぶりの月への着陸となりました。

ギリシア神話の英雄「オデュッセウス」の愛称を持つNova‐Cは同年2月15日にフロリダ州のケネディ宇宙センターからSpaceXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられ、2月22日に氷が存在するとされる月の南極近くに着陸しました。

着陸船は高さ4.3m、直径1.6mで、重さ675㎏。ペイロード(貨物)は最大130㎏まで搭載でき、このミッションではNASAの科学調査機器など12のペイロードを月に輸送しました。

月面着陸は、月輸送を民間企業に有償で委ねるNASAのプロジェクト「CLPS(Commercial Lunar Payload Services)」での選定を受けて実施されました。CLPSは月面に物資を輸送する手段の開発を民間に委託するため、米国の民間企業を選び、2028年までに最大26億ドルの資金提供をする計画です。

なぜ米国の民間企業は宇宙ビジネスをリード?

なぜ、米国の民間企業は低コストのロケット打ち上げを実現するなど、宇宙ビジネスをリードできているのでしょうか? SpaceXが民間投資だけで完成させた初のロケットの商業打ち上げに成功したのは2009年です。米国のミサイル試験場からロケット「ファルコンⅠ」を打ち上げ、マレーシアの地球観測衛星を地球軌道上に投入しました。2017年には世界初となる第1段ロケットの再利用打ち上げに成功しました。

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