ーーその後、キャリアブレイク期間はどのように終えたのでしょうか。
吉田:キャリブレイク中の生活に満足していたのですが、そろそろ働き始めたいな、というタイミングで、「J-WAVEのパーソナリティーをやりませんか?」と声をかけていただいたんです。これまでの経験が活かせるお仕事だなと思ったので、やらせていただくことにしました。結局、キャリアブレイクは1年7カ月くらい。その時声がかからなかったら、もっと続けていたと思います。
ーー今はどんな生活を?
吉田:すごくバランスがいい生活ができてます。さらにキャリアブレイクをとったことで、プロフェッショナルとしての視野が広がりました。それまで築き上げた記者としてのものの見方に加えて、主婦時代に気づいた視点が加わりました。それは「ニュースは自分ごとでないと興味を持てない」ということ。リスナーの皆様がなるべく「自分ごと」として社会情勢に興味を持てるようにニュースの解説をしています。
ーーもともと計画から逆算していくというキャリアの歩み方をしてきた吉田さんですが、キャリアブレイクにしても現在の働き方にしても、予想外のことがたくさんあったのですね。
吉田:以前は常に計画から逆算してきていましたが、コロナを経て、「未来はなにが起きるかわからない」と痛感しました。今では、「思った通りにならなくても、一生懸命頑張っていれば、何か楽しいご褒美があるだろう」と思えるようになりましたね。
取材を終えて
「計画された偶発性理論」という考え方がある。ジョン・D・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論で、「個人のキャリアの8割は偶然の積み重ねによって作られており、個人は能動的に行動をすることでその偶然を引き起こしやすくなる」というものだ。
吉田さんのキャリアブレイクは、綿密に計画されたキャリアから、計画はしつつも偶然も取り入れるキャリアへとシフトする機会だったのかもしれない。キャリアブレイクは、自分が想像していなかったよりよい人生と出会う機会にもなりうるのだ。
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