堀江貴文「日本は宇宙産業で世界トップになれる」 もとからある日本の優位性をもって世界と戦える

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以前はサーバー1台につき100万円は下らなかったから、個人がWebサービスを立ち上げるのは難しかった。それがLinuxによって心臓部のソフトウェアがオープンソース化され、みんながタダで使えるようになったことで、従来あった障壁が取り払われた。これこそ民主化である。

このインターネットの民主化により、IT事業に参入する人が増えた。Linuxがなければ、GoogleもAmazonもなかっただろう。

私は、「民主化できない領域は産業としてスケールしない」と思っている。

宇宙も同じ。民主化しなければ一大産業にはなりえない。

では宇宙の民主化の要件とは何か。あと何があれば宇宙は民主化するのか。宇宙にとってのLinuxは何なのか。

それは、衛星を地上から宇宙に輸送する「ローンチ・ヴィークル」である。人工衛星を開発しても、宇宙に打ち上げることができなければ技術の実証も利用もできない。

現在、宇宙ビジネスのインフラとも言える輸送事業は変化しつつある。小型ロケットや相乗り打ち上げや再使用ロケットの登場で、少しずつ安価な選択肢が増えてきた。今後、打ち上げ頻度が10倍、100倍になれば、さらにコストは変化していくだろう。まさしく民主化の一歩手前の段階にあると言える。

スペースXがスターリンク衛星約5000基によるコンステレーション(衛星群)の構築を実現させたことは、その証の1つと言える。

従来の通信衛星コンステレーションによるサービスは、高いうえに、通信の遅延や圏外エリアがあった。しかしスターリンク衛星は、全世界でアクセス可能な高速インターネットを提供し、国内でもユーザーが出始めている。

これは、宇宙が初めて「事業」として成功した例と言える。

日本が宇宙ビジネスで一歩抜きん出られる理由

戦後、技術立国で世界第2位の経済大国となった日本だが、その競争力が威力を発揮する分野が少なくなり始めて久しい。

近年の巨大トレンドである生成AIやWeb3の分野においても、アメリカや中国が莫大な投資をして力をつけているのを見ると、すっかり後れをとっていることは否めない。これから巻き返しをはかっても勝てる見込みは薄いだろうし、そもそも、日本が勝負すべきなのは、そこではないと私は考えている。

これから、日本がふたたび世界トップレベルに躍り出る希望のある分野は、宇宙なのだ。

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