堀江貴文「日本は宇宙産業で世界トップになれる」 もとからある日本の優位性をもって世界と戦える

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宇宙開発分野なら、何かまったく新しいことにイチから挑戦するということではなく、もとからある日本の優位性をもって世界と戦えるのである。

そう言える理由は主に次の3点だ。

・伝統的な技術力がある

奈良の大仏は、奈良時代の752年4月に開眼供養が執り行われている。建造期間は9年だ。青銅で鋳造されたものに金メッキが施されているが、あれだけの大きさの大仏像が、あれほどの薄さで作られている例はほかに見当たらない。

製鉄技術についても、「たたら製鉄」は日本独自の製法である。鉄から鋼鉄を作り、特殊鋼を作り、工具を作り、部品を作り……つまり、鉄がなくては何も始まらない。その鉄を作る高炉は工業製品のサプライチェーンの基礎と言える。

この話が宇宙産業と何の関係があるのかと思ったかもしれないが、ロケットは、紛うかたなき「工業製品」だ。つまり、優れた製鉄技術がなければ、宇宙開発に不可欠なロケットも作れない。そこに、日本の伝統的な技術力の新たな活路があるというわけだ。

しかも、規制緩和が進んでいるとはいえ、衛星やロケットの開発分野は、そのまま武器製造技術につながりうるため、技術の輸出入は依然としてハードルが高い。したがって「部品の国内調達・国内組立て」が基本である。

その点でも、高い技術力と製造業で鳴らしてきた日本には大きなアドバンテージがある。

島国であることの利点

・地の利がある

日本は島国であり、周囲に障壁がない。そのうえ、日本の東方・北方・南方には広大な海が広がっている。

周囲に障壁がないことはロケット打ち上げの必要条件だ。

また、衛星を積んだロケットを地球上の軌道に乗せるには、東向き、南向き、あるいは北向きに打ち上げる。打ち上げ後、ロケットが段階的に使用済みの部品を落下させながら飛んでも支障がない場所が必要だ。

ロケットを打ち上げた方向に、自国の市街地や他国の領土があったら危険すぎる。現に、陸続きで四方に他国の領土があるヨーロッパ諸国は、南米のフランス領ギアナにロケットを運んで打ち上げ実験をしている。それだけ余計に莫大なコストがかかっているわけだ。

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