堀江貴文「日本は宇宙産業で世界トップになれる」 もとからある日本の優位性をもって世界と戦える

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つまり、「島国(周囲に障壁がない)」「東・南・北方は海」という日本の地理的条件にも、実は宇宙ビジネスにおける日本の優位性があるのだ。

私がファウンダーとなっているインターステラテクノロジズ(IST)も、こうした日本の地の利を生かし、北海道の南東地域の一角にある広尾郡大樹町に本社とロケット射場を構えている。

・規制が緩い

独自の人工衛星を活用したい一般企業は、宇宙開発企業に打ち上げを依頼している。現在のところ、その打ち上げビジネスは、スペースXをはじめとしたアメリカ企業が主に請け負っている状態だ。

しかし、そこでネックとなっているのが、アメリカ製のロケットにかけられているITAR(国際武器取引規則)だ。国家の安全保障に鑑み、武器や武器開発技術が敵対国に流出しないようにする規制法である。

そのため、アメリカの宇宙開発企業に協力してもらえない国々がある。協力してもらえるとしても膨大な書類作成が課されており、かなり面倒な手続きが必要となる。

一方、日本には、そうした規制がない。つまり、アメリカの宇宙開発企業の協力をあおぎたいけれどもITARのせいで叶わない国々からの依頼に、日本ならば応えることができるのだ。今後、こうした国を中心として、日本製ロケットの需要は高まっていくと考えられるのである。

日本のものづくりは自動車からロケットへシフトする

また、人工衛星や人を宇宙に送る「宇宙輸送」の依頼も、今後、日本に舞い込むことになると考えられる。その背景はロシア‐ウクライナ戦争だ。

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ロシアによるウクライナ侵攻が始まるまでは、ロシアが宇宙輸送の2割を担っていた。ところが、ウクライナ侵攻後、対ロシア経済制裁が敷かれたことにより、各国はロシアに依頼できなくなった。

対ロシア経済制裁はまだしばらく続くだろう。となると、かつてロシアが占めていた2割のシェアが日本に回ってくる公算大というわけだ。現に日本の宇宙開発企業には、欧米を主とする衛星運用企業からの問い合わせが相次いでいるという。

世間では、自動車産業の衰退とともに、日本の製造業も終わっていくかに思われているかもしれない。それは違う。高い技術力を誇る日本のものづくりは続く。自動車からロケットへと「何を製造するのか」がシフトするだけなのだ。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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