「宇宙ビジネス」市場拡大の裏で"地政学的緊張"による《敵対的なサイバー攻撃》が急増、今後想定される2つのリスクとは?
筆者らが2019年に宇宙サイバーセキュリティの重要性を研究し始めた際、「宇宙人からの脅威に対してサイバーセキュリティが必要なのですか」と真顔で質問を受けたことがありました。当時は宇宙とサイバーセキュリティの関係性がまだ十分に理解されておらず、宇宙システムへのサイバー攻撃はSFの世界の話だと思われていたのかもしれません。
しかし、ウクライナ侵攻時に同国が利用する通信衛星システムがサイバー攻撃を受けたことで、世の中の見方は一変しました。宇宙はもはや「安全保障」と「経済活動」の両輪を支える基盤であり、宇宙システムへのサイバー攻撃は国家機能の混乱や企業活動の停止に直結します。
成長が見込まれる「宇宙産業」の今
高市早苗首相が首相就任後に掲げた17の戦略分野には、人工知能(AI)・半導体、エネルギー安全保障などと並んで「宇宙」も含まれています。高市政権は「宇宙」について、経済安全保障上の重要性が高い技術「国家戦略技術」(6分野)の1つとしても指定しており、市場でも引き続き関心は高いです。
ますます宇宙システムのサイバーセキュリティ対策は急務となっているわけですが、具体的にはどのような脅威が考えられるのでしょうか。まずは、“宇宙産業の今”について確認していきましょう。
衛星製造や打ち上げコストの低下を背景に、宇宙活動は従来の官需主導から、官民連携への移行が進み急速に商用化しています。PwCコンサルティングでは、23年時点における宇宙分野の市場規模を約4030億米ドルと推計しました。また、内閣府宇宙政策委員会の資料によると、宇宙の市場規模は30~40年に約1兆米ドル(約150兆円)になると予測されています。


















