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「宇宙ビジネス」市場拡大の裏で"地政学的緊張"による《敵対的なサイバー攻撃》が急増、今後想定される2つのリスクとは?

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  • 上杉 謙二 PwCコンサルティング ディレクター
  • 神田 健生 PwCコンサルティング マネージャー
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アメリカが主導する有人宇宙飛行計画「アルテミス計画」では、日本は月周回有人拠点の機器や、月面ローバーの提供を行う予定となっており、さまざまな業種の事業者が研究開発も含めて事業検討を進める動きが出てきています。今後は探査情報の活用による資源開発や通信・エネルギー・居住関連のインフラ開発等、月面開発の進展が期待されています。

このように宇宙産業が拡大していく中で、宇宙システムのサイバーセキュリティ対策が急務とされるのは、私たちの「安全保障」と「経済活動」の多くが衛星に依存しているためです。衛星や地上局がサイバー攻撃を受ければ、通信や交通等、広範な影響が発生する可能性があります。

地政学的緊張に伴い「敵対的な攻撃」が顕在化

具体的に、昨今のサイバー攻撃被害事例を見ていきましょう。下図にまとめたとおり、ここ数年だけでも、日本の宇宙研究機関、韓国の製造会社、ロシアの研究センター、ポーランドの宇宙機関と、世界中で宇宙関連の組織がサイバー攻撃の被害に遭い、システム停止や情報漏洩が発生しています。被害状況から、地政学的緊張の高まりに伴い、宇宙システムに対する敵対的なサイバー攻撃が顕在化していることがうかがえます。

※外部配信先では図表がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

今後、東アジアで国際的緊張が高まった場合、通信衛星や観測衛星、関連する地上システムが標的となり、日本も安全保障上の重大なリスクを抱える恐れがあります。

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【日本の対策は進んでいるのか?】

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