「営業トーク」やめた彼の営業成績が上がったワケ 「売ろうとするから売れない」のは本当だった

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たとえば女性のお客さまに、「駅からは少し歩きますが直進ですし、慣れれば気にならないと思いますよ」とか、「1階ですが、閑静な住宅街なので、防犯に神経質にならなくても安全だと思いますよ」とか。

お客さまとしては、「この営業パーソン、本当に自分のことを考えてくれているのかな?」という気持ちにもなるでしょう。そんな「売ろう、売ろう」とする姿勢は、自然と表情や口調にも表れてしまい、お客さまはどんどん引いてしまうのです。

昔は鼻息荒く契約を取っていた時代が、私にもありました。しかし、今の私は、内見に行くときも「今日、決めよう」という気持ちはありません。

お客さまにも差し迫った引っ越しの期限がない限りは、「焦って決めなくてもいいですよ」とお伝えしています。

「家は人生を左右する大事なものですから、ここだと納得できる家に出会えるまでお手伝いします」。そう伝えることで、お客さま自身にも、「本当に自分が住みたい家を探そう」と思っていただけるはずです。

私が一緒に部屋探しをしているお客さまには、6年かけてまだ理想の家が見つかっていない方もいます。何度かこれに決めようかということがあったのですが、私がベストだと思った物件は、お客さまが「もう少しバルコニーが広いほうが……」と言って断念。

逆に、そのお客さまは気に入ったのに、私が違和感を抱いてしまい、「ここはやめましょう」と言ってやめた物件もありました。

結局、今も理想の家が見つからないまま、もう6年、探し続けています。しかし、その分、そのお客さまとも長いお付き合いとなり、「ここに引っ越して本当によかったと思える家を探そう」ということで思いは一致しています。

そこまで時間をかけるお客さまは少数派ですが、どのお客さまに対しても、時間の許す限り妥協せず、お客さまの未来にとって一番いい選択肢を見つける。それが正直営業です。

お出迎えの時間で気持ちを整える

お客さまをお出迎えするとき、私は待ち合わせの10分前にビルの入口の外に立ち、お客さまがいらっしゃるのを待つようにしています。

雨の日も雪の日も、真夏の暑い日もスーツとネクタイを着用して外で待っているので、初めてのお客さまはとてもびっくりされます。お出迎えだけでなく、お客さまが帰るときもビルの外までご一緒して、姿が見えなくなるまでお見送りをします。

このようなお出迎えをする理由は、弊社は紹介制のため、あえてビルに目立つ看板もつけておらず、正直、ちょっとわかりにくいからです。

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