今のアメリカは「ほぼトラ」ではなく「まじトラ」だ 「トランプトレード」で儲かる銘柄のヒントとは

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逆に民主党政権下で優遇されてきた、再エネやハイテク関連には逆風となりそうだ。とくにEV(電気自動車)向けの補助金は打ち切りとなるおそれがある。ここへきてイーロン・マスク氏は大口献金を行い、トランプ応援団としての旗幟を鮮明にしているが、今後のテスラ株がどうなるかはまことに興味深いところである。

また、トランプさんは仮想通貨推進派と見られていて、ビットコインなどの暗号資産が値を上げている。15~18日まで行われた共和党全国大会では、トランプ政権の政策綱領(プラットフォーム)が公表されていて、その中にはちゃんと「暗号資産」の項目が入っている。「民主党政権下で行われてきた不当な取り締まりに終止符を打ち、逆にCBDC(中央銀行デジタル通貨)の創設には反対」という立場が記されている。

2024年版のプラットフォームは、共和党のホームページからダウンロードできる。そう長いものではないので、翻訳ソフトを使えば簡単に目を通すことができる。「トランプトレード」のヒントがたくさん詰まっているはずだ。

それにしてもトランプ対バイデンの戦いは、先月と比べてなんと差がついたことか。思うにこの半月の間に、以下の3つの「事件」が起きている。

(1) 6月27日のテレビ討論会
(2) 7月1日に最高裁が示した判断
(3) 7月13日のトランプ氏暗殺未遂事件

テレビ討論会でのバイデン氏の失態については、前回の当欄で詳述したので、ここでは繰り返さない。3番目のトランプ氏暗殺未遂事件の効果も、「言わずもがな」であろう。右耳に銃弾を受けて流血しながら、星条旗たなびく空に向けてこぶしを突き上げたトランプさんの「絵」は、容易に忘れがたいものとなった。頼りないバイデンさんとは、あまりにも好対照ではないか。

意外と重要な役割を果たした最高裁判断

ところが、2つの事件に挟まれた2番目の最高裁判断が、意外と重要な役割を果たしている。トランプ氏に迫っていた4つの刑事裁判の脅威が、急に遠のいたのである。

トランプ陣営はこれまで、「大統領には免責特権があるはずだ」との論陣を張っていた。任期中に行った仕事に対してあとから訴訟の対象になるかもしれないのでは大統領はやっていられない、というのである。しかるに大統領を特例扱いすることは、「法の前の平等」原則に外れ、いわば「人の上に人を作る」ことになる。当然、却下されるだろう、というのが事前の大方の読み筋であった。

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