「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?
最後の支持層はお年寄りだ。意外だったが、「免許返納後の乗り物に選ばれているんです」と聞いて納得した。なかには、定年退職後に時間に余裕ができ、電動アシスト自転車でツーリングを楽しむ人も。電動といえども体を動かすため、健康維持に役立つし、平衡感覚の維持にもひと役買うだろう。
そして、シニア層には「高齢者向けらくらくスマホ」さながらの、シンプルで操作が簡単な電動アシスト自転車が喜ばれている。変速ギアの仕組みがよくわからなかったり、スピードを出すのが怖いと感じる人が多いからだ。あさひでは、自動で走行状態を判断し、アシストのパワーを切り替えてくれる変速ギアなしタイプが好評を博している。
これら3つが主な電動アシスト自転車の客層だが、スポーツ、フィットネス感覚で電動アシスト自転車を選ぶ層もいる。彼らは「スポーツeバイク」と呼ばれる、クロスバイクやマウンテンバイクのような形状の電動アシスト自転車を使用し、ヒルクライムや、旅先での長距離サイクリングに活用している。「自転車をこいでいる時間も余裕ができ、景色が楽しめる」と喜ばれているそうだ。
脱「ママチャリ」が追い風に
単なる移動手段ではなく、生活の利便性を上げたり、節約になったり、体力増進につながるなど、多様な選ばれ方をしている電動アシスト自転車。背景には、電動アシスト自転車そのものの進化がある。
電動アシスト自転車が日本に登場したのは1993年頃だ。当初はフレームの太い、いわゆる「ママチャリ」型のみだったが、近年、急速に進化を遂げている。モーターの小型化やアルミフレームによる軽量化などの進歩に伴い、フレームはスリムに。自転車市場でトレンドのコンパクトなタイプも生まれ、街で取り回しやすいフォルムになった。
【2024年8月07日11時35分追記】初出時、登場年度に誤りがあったため修正しました。
カラーリングも千差万別だ。あさひでは、全国536店舗の店を訪れる客のリアルな声と、トレンドをすぐに企画開発に反映。流行のニュアンスカラーやレトロカラーを取り入れ、スーツや普段着で違和感なく使えるモデルを用意している。色も形も、消費者がライフスタイルに合わせて選べ、幅広いシーンに「ハマる」スタイリッシュなモデルが次々に誕生しているのだ。
加えて、バッテリーが大容量化し、長距離走行も可能になっている。なかには1回の充電で100キロ走るタイプもあり、そうなると、よほどの長距離でなければ毎日乗っても充電は数日置きで済む。このため、格段に使い勝手もよくなっている。
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