「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?
販売のボリュームとしては、買い物、通勤、通学などに広く使える多目的タイプが最も多く、次いで子乗せタイプが多い
電動アシスト自転車の支持層、特徴的な3タイプ
購入するユーザー層はさまざまだが、なかでも選択する車種が特徴的なのが、共働きで就学前の子どもがいる夫婦、通学する学生、お年寄りである。彼らは、それぞれの目的に応じて電動アシスト自転車を選択している。
まず共働きで就学前の子どもがいる夫婦は、「子乗せ付き電動アシスト自転車」で通勤ついでに保育園、幼稚園に子どもを送迎する。朝送った後にいったん帰宅する余裕はなく、会社帰りにお迎え後は、そのままスーパーに寄ることも。すなわち、移動の時短と生活効率向上のために電動アシスト自転車が必須なのだ。
しかも、子どもを乗せた自転車は運転者の体重と合わせ、90~100キロ近い重量になる。体力がないとかなり厳しいが、電動なら子を2人乗せ、颯爽と坂を駆け上がることも可能だ。このため『サイクルベースあさひ』には出産前、出産後に「子乗せ付き電動アシスト自転車」を購入すると決めて下見に来る夫婦が後を絶たないという。
車で送迎すればいいと考える人もいるだろうが、そう簡単ではない。そもそも、通勤に車を使える人は限られている。また、保育園や幼稚園の周囲は子どもの飛び出しなども多く、先を急ぐ保護者の車との事故の危険性も高い。このようなトラブルを避けるため、車での送迎を禁止している園も多い。また、安全を考慮して自主的に車を選ばない保護者も少なくない。
このような背景から、小回りが利いて、「保育園の送迎から最寄り駅まで」などある程度の距離を走れ、安全に移動できる手段として、電動アシスト自転車が選ばれている。
続いて学生も、電動アシスト自転車の大きな支持層だ。あさひによると、通学カバンが入れやすい前カゴ付きで、体力がある世代が毎日乗っても劣化しない頑丈なタイプがよく売れているという。
なぜ、通学の手段として、電動アシスト自転車が選ばれているか? その理由の1つは節約で、シンプルに、電動アシスト自転車に乗ることで交通費を安く済ませられる。「年間で計算すると、電動アシスト自転車を購入し、雨の日だけ電車やバスにするほうが出費が少ない」と判断して購入する親が一定数いるのだ。また、電動アシスト自転車なら、普通の自転車と比べて、勉強や部活、アルバイトの体力も温存できる。
通学に使用するのは大学生が多いが、校則で許可をされている学校では、中高生の利用者も増えているそうだ。特に、坂道が多いなど通学が大変な地域では、保護者の要望で校則が変わり、大量に購入者が発生することもあるという。
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