「地方に多いホームセンター」が都会進出を狙う訳 人口減少が進む中、大手を軸に再編が進行

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カインズは売り上げトップを奪還しただけでなく、2010年代には急速にプライベートブランド(PB)商品強化を進めて、現在ではPBを軸に売場を構成しうる域にまで達している。この点でも競合他社の追随を許さぬ商品力を実現したと言っていいだろう。

他社がM&Aによる基盤拡大と統合にエネルギーを割かれている間に、カインズは製造小売業としての基盤を確立し、キングダムにおける秦のごとき存在となった。現時点で、カインズは単独でシェア拡大可能な競争力を備えたため、同業M&Aによる事業基盤拡大を必要としない存在となった、とも見える。

大都市圏における存在感が薄いカインズの未来

業界トップの競争力を確立したカインズではあるが、大都市圏における存在感はほとんどない。大都市部への出店フォーマットを持たないホームセンターは、トップ企業カインズといえども、大都市の住生活に対応する業態を持っていない(「Style Factory」という生活雑貨業態はあるが、いまだ5店舗で実験中)。

ハンズのグループ化により、都市部でまとまった店舗網は得たが、あくまでもハンズとして、であり、カインズ化する予定もない。カインズの考える、大都市への展開とはどんな形なのかは、まだ明確にはなっていないのだが、その他の小売業への商品供給戦略を見ていると、その方向性をうかがい知ることができる。

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