そんな私が実感しているのは、年をとればとるほど「心身相関」が強く現れるということです。
心の調子が悪くなれば体の調子も悪くなり、体の調子が悪くなれば心の調子も悪くなる、というように、精神的なストレスが免疫機能を低下させ、さまざまな身体疾患を招くことは知られていますが、高齢者になるほどその傾向が顕著になるのです。
だからこそ、高齢世代の入り口である50代から心の調子を良くしておくこと、つまり「うつ未満」の予防、「うつよけ」の準備をしておくことが重要です。
もちろん、うつ病になった場合は、きちんと心療内科や精神科で治療を受けることが大切です。うつ病には生物学的要因も影響しますから、専門医に診てもらう必要があります。
普段の過ごし方も重要
しかし、普段の過ごし方も重要です。私が長い間、うつ症状で苦しんでいる人と、いくつになっても活力や若々しさを保っている人を見てきて実感しているのは、世の中には「うつ病になりにくい考え方」や「うつ病になりにくい生活習慣」「うつ病になりにくい行動」があるということです。
たとえば、仕事でちょっとでも失敗をしたときに「自分はダメな人間なんだ」と思い込みやすい人は、その思い込みによって、すぐに自信を失ってしまいます。
そのため、その後も本来の実力を発揮することができず、また失敗する可能性が高くなります。それを繰り返しているうちに「やっぱり自分はダメな人間だ」とますます自分を追い込んでいくことになります。
うつ病になる人というのは、そのように日頃からうつになりやすい思考パターンや物ごとの捉え方をしているわけです。
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