50代の「うつよけ」メンタル不安定期の乗り越え方 人生後半への入り口でまさに「老いの思春期」

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長い間、真面目に努力を積み上げてきた人が、やっとゆっくりできると思った晩年にうつ病になり、毎日鬱々と苦しみながら人生を終える。これでは生き地獄です。

晩年の日々を楽しく過ごせるかどうかは、今から思考法や生活様式を変えて、うつ病をいかに防ぐかにかかっていると言っても過言ではありません。

「人は何歳からでも変われます」

でも、こういう話をすると、決まって「そんなの自分には無理です」と言う人がいます。自分自身を変えることなんてできないと思い込んでいるのです。

いえ、人は誰でも、何歳からでも変われます。

私は医師の仕事をしながら、夢だった映画制作を47歳から始めました。当然、お金もかかりますし、気苦労もたくさんあります。今も64歳という年齢で人に頭を下げなければいけない局面も多々あります。それでいて、まだまだ自分の思い通りになっているとは言えません。

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それでもストレスはまったく感じていませんし、何よりも大きなやりがいと手応えを得て、毎日ワクワクしながら過ごしています。

残りの人生を苦しみながら、毎日を耐え忍んで過ごすのか。それとも、今からやりたかったことに挑戦して、これから先の人生を自分らしく、楽しく過ごすのか。

それを決めるのは、あなた自身です。

もしも「最近、うつっぽいかも」「しんどいな」と感じているなら、逆にそれは変革期のサインでありチャンスであるとも言えます。これまでの思考法や生活様式では無理がきかなくなってきた、そろそろ違うやり方を考えたほうがいいよ、という体からのシグナルなのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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