「年収の高い仕事」「低い仕事」を分ける残酷な要因 「業界・職種・努力・情熱…」では決まらないワケ

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「スキルの希少性」という言葉をよく聞きますが、これも誤解を招く表現です。重要なのは、ただ希少であることではなく、需要に対して供給が少ないことだからです。

日本における医師の数は、だいたい370人に1人です。ファイナンシャルプランナーは約660人に1人、歯科医は約1200人に1人なので、その2つの職業と比べると実はそれほど「希少な存在」というわけではないことがわかります。

しかし、お世話になる回数でいうと、この中では医者が圧倒的に多いでしょう。年間12回が平均というデータがありますが、毎年同じ回数だけFPや歯科医にお世話になっている人はそういないはずです。

医者の給料が一般的に高いのは、単に数が少ないからではなく、需要に対する数が少ないから、なのです。まさに「需要と供給のアンバランス」です。

需要が大きく、供給が少ない仕事を探す

高い収入を得ようと考えるのなら、なるべく需要が大きく、なるべく供給の少ない仕事を探す。これまでの話を、キャリアアップの指針にシンプルに言い換えると、そういうことになります。

例えば、今の仕事をベースに社内での昇進やジョブチェンジ、あるいは転職を考えるなら、今の自分にどんなスキルや経験を付け加えると、より需要が大きく供給が少ない状態に近づけるのかを考えるわけです。

例えば、今現在「法人営業」の仕事をしているなら、

1. システムソリューション営業から広告営業に扱う商材を変える
2. 英語を身につけて、バイリンガルの法人営業になる
3. 管理職の経験を積み、法人営業マネージャーになる

などというスキルの調整が考えられます。

このとき、どの選択肢がいちばん「需要が大きく供給が少ない」状態に近づけるでしょうか。求人サイトで求人数や求人ごとの年収レンジをチェックしたり、転職アドバイザーにヒアリングしたりすることで、上記の3択それぞれにおける需給のバランスはある程度正確に把握できるはずです。

もちろん、必ずしも転職を前提に考える必要はありません。そうしてチェックした市場価値を頭に入れて、社内でそのポジションを取りに行くのも1つの手段でしょう。

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