「年収の高い仕事」「低い仕事」を分ける残酷な要因 「業界・職種・努力・情熱…」では決まらないワケ

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ただ、言うまでもなく、自分にとっての仕事の良し悪しは、決して年収だけで決まるわけではありません。どんなに年収が高くても、仕事で消耗しきってプライベートが充実していない、という状態では持続的とは言えないでしょう。

逆に、休日は月曜日に仕事に行くのが待ち遠しくて仕方がない、と言う人がいたら、年収に関係なくその仕事を「羨ましい」と思うのではないでしょうか。

自分はなぜ働くのか?がもう1つの仕事の評価軸になる

何年も続く企業やブランドは、多くの場合「パーパス」を持っています。その企業やブランドが何のためにあるのか、というそのブランドの「存在理由」です。

そうした企業やブランドにおいても、儲けることは重要なのですが、それは目的ではなく手段であると考えられます。パーパスを追求するための手段、ということです。

私たち個人も、なぜ働くのか?という自分のパーパスを明確にすることで、毎日の仕事がより充実したものになり、かつ何歳まででも続けられる、持続的なものになると筆者は考えています。

パーパスなどというと、そんな大それたことは自分には考えられない、と思うかもしれません。しかし、パーパスは必ずしも大それたものである必要はありません。

筆者が先月上梓した働きかた小説『幸せな仕事はどこにある』には、次のような会話があります。

自分のパーパスやミッションといっても、誰もがイーロン・マスクのように、文明や環境の危機から人類を救う必要はないわけだ。
社会課題とベストの自分が交わる点は、かならずしもそんなドラマチックな場所にあるわけではない。
また、そうした場所にないからといって、その交点が存在しないわけでもない。
パーパスには、いろいろな形や大きさのものがあっていいのだ。
(中略)
「アコさんのパーパス、聞いてもいいですか?」
僕がそう言うと、アコさんは少し緊張したような眼差しで僕を見た。
「私のパーパスは、自分の目の前の人が『ベストな自分』を見つけて、それを実現するのを手助けすること」
『幸せな仕事はどこにある』第7章より

個人が生活をしていくには、先立つものが必要です。個人の場合は、パーパスが収入「より」重要だとは言えないかもしれませんが、少なくとも一度考えてみる価値のあるキャリアの評価軸なのではないでしょうか。

井上 大輔 マーケター、ソフトバンク株式会社 コンシューマ事業推進統括 プロダクト本部 新規事業開発統括部 統括部長

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いのうえ だいすけ / Daisuke Inoue

ニュージーランド航空、ユニリーバ、アウディジャパンでマネージャーを歴任。ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部 マーケティング本部長、ソフトバンク株式会社 コンシューマ事業統括 コミュニケーション本部 メディア統括 部長を経て現職。WASEDA NEO「早稲田マーケティングカレッジ」並びに「『人生の可能性』を広げるビジネスパーソンのための本づくり講座」講師。

 

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