日本のIT業界を蝕む「多重下請け構造」。その最下層で働くエンジニアの劣悪な労働環境が、若者のエンジニア離れを加速させている。一方で、中小企業の技術力低下や人材派遣化が進行。この閉塞状況を打破する鍵として、スタートアップへの期待が高まっている。
海外人材の活用も含め、日本のIT業界が抱える構造的問題と、その打開策を探る。(『エンジニアリソース革命』より抜粋してお届けします)。
建設現場と一緒「多重下請け構造」問題
日本ではエンジニアの職場がブラックなイメージで見られることが多いのですが、それは日本のIT業界の文化に起因しています。
実は、日本のIT業界の構造は建設現場と非常に似ています。
まず元請けの有名な大手企業があり、そこから一次請け、二次請け、三次請けという形となっています。要は、このような多重下請け構造が基本となっているのです。
その最下層にいるエンジニアの働き口は、ブラックな職場環境になっているところも少なくありません。安い月給で朝早くから夜遅くまで働き、家に帰れないというエンジニアに会ったこともあります。
このような状況が悪評となって若い人に伝わり、エンジニアやSEに対する人気が落ちているのかもしれません。
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